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特集 呼吸器感染症Up-to-date

非結核性抗酸菌症Up-to-date

―主に疫学,病型と治療について―

朝倉崇徳長谷川直樹

THE LUNG perspectives Vol.26 No.1, 46-51, 2018

近年,世界中で肺非結核性抗酸菌(NTM)症の増加が指摘され,本邦においても2014年の全国アンケート調査により,肺NTM症がすでに塗沫陽性肺結核の罹患率を超えていることが判明した。肺NTM症は病変として非喫煙・痩せ型・中高年の女性に多い結節・気管支拡張(nodular bronchiectatic;NB)型,喫煙・慢性閉塞性肺疾患(COPD)や陳旧性肺結核症などの既存肺疾患をもつ男性に多い線維空洞(fibrocavitary;FC)型に主に分けられる。最近では病型を問わず,空洞の有無が予後不良に重要とする報告もある。肺MAC症の薬物療法の開始時期は定まっていないが,いくつかの治療開始を検討すべき基準が提唱されている。難治化の原因としてクラリスロマイシン(CAM)耐性が知られており,① CAM単剤や② CAM+ニューキノロン系抗菌薬による治療は避けるべきである。
「KEY WORDS」肺MAC症,肺MABC症,クラリスロマイシン耐性肺MAC症,病型,予後

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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