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特集 呼吸器感染症Up-to-date

インフルエンザ Up-to-date

川名明彦

THE LUNG perspectives Vol.26 No.1, 32-35, 2018

季節性インフルエンザは,毎年世界で300~500万人の重症者をもたらす。現在A(H1N1)pdm09とA(H3N2)ウイルスならびにB型ウイルス(山形系統とビクトリア系統)が様々な割合で地球規模で流行している。治療はノイラミニダーゼ阻害薬が中心だが,機序の違う新薬も登場間近であり期待される。予防ワクチンは近年3価から4価になった。鳥インフルエンザはA(H5N1)とA(H7N9)が注目されている。ヒトヘの感染は稀であるが,感染すると重症化し致死率も高い。現時点ではこれらがパンデミックを引き起こすリスクは低い。新型インフルエンザについては各国が対策準備を進めている。新型インフルエンザの治療もノイラミニダーゼ阻害薬が中心となる。なお,重症インフルエンザに対するノイラミニダーゼ阻害薬の倍量・倍期間投与の有用性は認められない。ファビピラビルも選択肢となるが有害事象があり投与には慎重な判断が必要である。
「KEY WORDS」パンデミック,ファビピラビル,H5N1,H7N9,S-033188

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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