特集 呼吸器感染症Up-to-date
肺炎球菌ワクチンUp-to-date
THE LUNG perspectives Vol.26 No.1, 23-26, 2018
成人に使用できる肺炎球菌ワクチンは,23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)と13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)である。2014年10月,高齢者の肺炎球菌感染症は定期の予防接種を行うB類疾病として定められ,PPSV23は免疫原性,安全性,臨床効果,医療経済性などが考慮され, 定期接種となった。PCV13はCAPiTA試験で臨床的な有効性が示され,米国では65歳以上ではPCV13を先に接種し,1年後にPPSV23を接種することが推奨された。PCV13を小児に接種することにより,血清型置換と集団免疫効果がみられるようになり,ワクチンのカバー率が低下している。米国以外の先進国では高齢者に対しては依然としてPPSV23を推奨している。国ごとに対応が異なるのは,医療制度,疾病構造,肺炎球菌感染症の広がり,肺炎診療にかかる医療費,ワクチン価格などが異なるからであり,我が国も独自に検討し接種の推奨を決めるべきである。
「KEY WORDS」PPSV23,PCV13,定期接種,血清型置換,集団免疫効果
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。