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MEDICAL TOPICS

肥満における糖鎖の役割

―糖転移酵素ST6GAL1は脂肪細胞の増殖を抑制する―

蕪木智子木塚康彦北爪しのぶ谷口直之

THE LUNG perspectives Vol.25 No.4, 75-79, 2017

肥満は,糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスク因子であるとともに,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)や喘息など慢性肺疾患についても関連性が指摘されている1)2)。肥満では,脂肪細胞が増殖・肥大化することにより機能異常を起こし,それによって様々な疾患の発症が誘発されると考えられている。一方で,脂肪細胞はアディポネクチンをはじめとする様々な生理活性物質を分泌し,糖代謝や血圧など生体の機能調節に重要な役割を果たしている3)。これらのことから,脂肪細胞の正常機能および増殖・肥大化の分子生物学的メカニズムの解明は,肥満の予防・改善のみならず肥満関連疾患の治療法開発にもつながると期待されている。
「KEY WORDS」α2,6シアル酸,インテグリン-β1,3T3-L1細胞,DNAメチル化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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