特集 免疫学の新展開と呼吸器疾患
IL-33と気道炎症
THE LUNG perspectives Vol.25 No.4, 33-37, 2017
上皮細胞は細胞間の密着結合(tight junction)の形成によるバリア機能により,体外からの抗原の侵入を防ぐ。何らかの要因によってバリア機能が破綻した場合,宿主体内への抗原の侵入が可能となり,その抗原に対する感作が成立する。喘息の場合,バリア機能を破壊する要因として,ダニやカビが産生するプロテアーゼが挙げられる。しかしながら,プロテアーゼが気道上皮細胞のバリア機能を破壊する際に起きる,宿主側の免疫防御の機構および病態への影響についてはよくわかっていなかった。本稿ではその過程において,上皮細胞から放出されるIL-33の役割について概説する。
「KEY WORDS」damage-associated molecular pattern,プロテアーゼ,IL-33
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