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特集 免疫学の新展開と呼吸器疾患

気道粘膜バリアの二面性

―異物排除とアレルギー疾患誘導について―

平原潔中山俊憲

THE LUNG perspectives Vol.25 No.4, 9-13, 2017

気道の上皮細胞は,外界からの異物進入に対して物理的なバリアとして働く。さらに,気管内は各種腺細胞から分泌される粘液に覆われており,線毛細胞が咽頭方向へ向かって運動することで,積極的に異物を外界へ排除している。一方で,近年,気道上皮細胞が様々な受容体を介して外部からのシグナルを感知し,アレルギー疾患をはじめとする様々な呼吸器疾患を誘導する原因となることが明らかになってきた。たとえば,気道上皮細胞は“上皮サイトカイン”として知られるIL-25,IL-33,TSLPの貯蔵庫としての役割を担っており,2型免疫応答を誘導する。本稿では,生体バリアである肺の特異性を,気道上皮から誘導される“上皮サイトカイン”のなかでもIL-33に注目し,その作用および標的細胞について概説する。なかでも,我々は肺に常在する記憶CD4 T細胞の一部がIL-33受容体を発現し,IL-33誘導性の病態に深く関与していることを見出した。さらに,我々のグループが同定したIL-33の標的細胞である記憶型病原性Th2細胞,および誘導性気管支関連リンパ組織のバリアにおける役割を紹介する。
「KEY WORDS」IL-33,Tpath,ST2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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