<< 検索結果に戻る

第27回「炎症毒性のない抗癌免疫アジュバントの開発へ向けて(第2回)」

THE LUNG perspectives Vol.25 No.3, 87-93, 2017

免疫は進化的に微生物の排除機構として発達し微生物特有のパターン分子と宿主にない抗原が目印になる。免疫起動の一般則とはパターン分子と抗原に宿主が応答することであり,パターン分子はToll 様受容体(TLR)などの自然免疫で認識され,抗原は獲得免疫(抗体やTリンパ球レセプター)で識別される。またアラムや鉱油の例外を除いてアジュバントの多くはパターン分子に分類される。
感染細胞は,細胞内で増えるウイルス抗原を主要組織適合性抗原複合体(major histocompatibility antigen complex;MHC)によって提示し,外部のリンパ球にウイルスの存在を知らせる。しかし,リンパ球の特異増殖を促すには樹状細胞が外にある抗原を取り込んでclass Ⅰに提示する仕組みが必要となり,これを担う細胞を抗原提示樹状細胞と呼ぶ。樹状細胞がウイルス感染してMHC class Ⅰに内在のウイルス抗原を提示する場合もあってよいが,細胞死の問題を避けられない。したがって,通常は非感染の樹状細胞が外来抗原を取り込む役割を担う。また,MHCには多様性があり,個体ごとに異なるハプロタイプを表現する。日本人に多いハプロタイプと感染性の相関などが報告されているが,問題は癌抗原がMHC class Ⅰやclass Ⅱに提示されてウイルス免疫と同様にCD8,CD4 Tリンパ球を増やせるかという命題である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載雑誌詳細 この雑誌の目次を見る

抄録