我が国では高齢化の進行に伴って肺炎の死亡者数が増加している。高齢者での肺炎では,口腔・咽頭分泌物を微量に誤嚥する不顕性誤嚥が関与する誤嚥性肺炎が多い。そのため,高齢者における誤嚥性肺炎ではその発症に口腔内・咽頭常在細菌叢が強く関与していると考えられ,口腔ケアなどで予防することが重要である。近年,遺伝子解析技術が発達し,これまで検出できなかった細菌も遺伝子検査で検出可能となっており,Prevotella 属,Fusobacterium 属,Veillonella 属,Clostridium 属などの嫌気性菌が検出されている。 また,解析処理能力が大幅に向上した次世代シークエンサーが登場したことでメタゲノム解析が可能となった。高齢者肺炎とマイクロバイオームについての研究では,高齢者肺炎ではマイクロバイオームの生態的多様性が失われ,特定の菌種が増加していると報告されている。
「key words」高齢者肺炎,誤嚥性肺炎,口腔内常在菌,嫌気性菌
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