患者から医師へのシグナル
第76回 仕事が好き,それが何よりの張り合い
THE LUNG perspectives Vol.25 No.1, 108-111, 2017
私は現在82歳ですが,最初に慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断されたのは70歳代の時で,きっかけは脳の硬膜下血腫の手術でした。ある日,新宿で法事がありけっこうな量のお酒を飲んだ私は,帰りに駅の階段を踏み外し,後ろに頭から転倒してしまいました。一緒にいた親戚が言うにはかなり大きな音がしたそうで,私は「大丈夫」と言って一度は仕事場に帰ったのですが,どうも体調がおかしく,吐き気も覚えたことから聖路加国際病院を受診しました。即刻入院となり,頭蓋骨にドリルで穴を開けて血腫をとる手術を実施。手術をするにあたって行った検査でCOPDを指摘されました。その時,診療してくださった先生に「いつか在宅酸素療法(HOT)が必要になるでしょう」と言われていましたので,それなりに悪かったのだと思います。実際にその頃から,自宅近くの駐車場に車を停めてから家まで徒歩12~13分の距離がきつくなっていました。息切れをして,上り坂では休まないと帰れないようになってきていたのです。先生にはタバコが原因の1つだと言われ,1日に2箱半ほど吸っていたタバコをきっぱりやめました。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。