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第24回 C型レクチン受容体による生体防御(1)
THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 90-95, 2016
免疫は自然免疫と獲得免疫に大きく分けられ,病原体やがん細胞に対する生体防御応答を担っている。獲得免疫において,T細胞ではT細胞受容体,B細胞ではB細胞受容体が抗原認識に重要であることは以前から知られている。その一方で,自然免疫には,主に骨髄系の細胞に発現するパターン認識受容体が存在しておりToll様受容体,NOD様受容体,RIG-I様受容体ならびにC型レクチン受容体が知られている。そのなかでもC型レクチンは,様々な生物に広く保存されている糖鎖認識タンパク質ファミリーであり,最近の研究により,病原体や損傷した細胞を認識することで生体防御機構に働いていることが明らかとなってきた。
第1回の本稿では,C型レクチン受容体に焦点を当て,その構造や機能,ならびに,それらのリガンドについて概説したい。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。