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特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望

骨格筋機能におけるmicroRNA の重要性

青井渉

THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 79-83, 2016

microRNA(miRNA)はmessengerRNA(mRNA)を分解,あるいは翻訳を阻害することにより,タンパク質の発現量を調節するnon-coding RNAの一種である。miRNAはタンパク質をコードする遺伝子の約60%を調節するといわれており,広範囲の細胞内イベントに関与する。いくつかのmiRNAは運動や不活動に伴う筋肉量やエネルギー代謝の調節,筋疾患の発症や進展に関与し,骨格筋の機能調節に重要な役割を果たすことが示されている。さらに一部のmiRNAは,エキソソームのような細胞内小胞に取り込まれて循環中に放出され,最終的に他の細胞に輸送されて機能性因子として働くことがわかり,身体活動や疾患に伴う骨格筋と他の器官の相互作用を仲介するホルモン様因子としての役割も明らかになってきた。
「KEY WORDS」運動,不活動,エネルギー代謝,肥大・萎縮,エキソソーム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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