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特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望

運動中の心血管系事故を防ぐ

後藤葉一

THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 62-68, 2016

呼吸リハビリテーションに参加する患者は喫煙歴のある高齢者が多く,心疾患,特に虚血性心疾患合併率が一般人口より高いので,運動中の心血管系事故を防止する方策が必要である。運動中の心血管系有害事象として,心筋虚血(狭心症発作・不安定狭心症)と不整脈(心房細動・心室頻拍)が多くみられる。具体的な事故防止策として,①運動療法の禁忌事項の厳守,②リスク層別化,③スクリーニング,④運動療法開始前の亜最大負荷エントリーテスト,⑤心肺運動負荷試験に基づく最適運動処方,⑥運動中および経過中のモニタリング,⑦緊急対処の準備と訓練が挙げられる。リスク層別化の基準や運動処方の決定方法として,心臓リハビリテーション分野で公表されているガイドラインやステートメントが参考となる。
「KEY WORDS」運動療法(exercise training),安全性(safety),リスク層別化(risk stratification),運動処方(exercise prescription),心肺運動負荷試験[cardiopulmonary exercise test(CPX)]

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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