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特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望

サルコペニアを防ぐ:病態と治療

荒木厚

THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 57-61, 2016

サルコペニアは筋肉量低下かつ筋力低下または身体能力低下と定義される。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は慢性全身性炎症性疾患であり,呼吸筋や四肢筋肉の機能異常によってサルコペニアやフレイルが起こりやすい。COPD 患者におけるサルコぺニアの合併は,運動耐容能低下,機能低下,死亡のリスクであるが,呼吸リハビリテーションは,サルコペニアの有無に関わらず有効である。サルコぺニアがあることは低栄養を意味するので,栄養治療では十分なエネルギー量とタンパク質を摂る必要がある。レジスタンス運動は呼吸困難,骨格筋量,1秒率を改善し,持久性運動と組み合わせると健康関連QOLや筋力も改善した。包括的呼吸リハビリテーションにより,サルコペニアやフレイルを考慮した治療を行うことが望ましい。
「KEY WORDS」サルコペニア,フレイル,慢性閉塞性肺疾患,レジスタンス運動,呼吸リハビリテーション

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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