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特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望

運動が誘発する息切れの緩和対策

長島広相山内広平

THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 53-56, 2016

運動時に息切れが伴うと身体活動量が低下し,さらに息切れが増悪する。息切れは階段の歩行,上肢を挙上する動作,息をこらえる動作などで多い。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は呼気が不十分な状態で吸気が開始されるので動的肺過膨張が生じ,これは労作時呼吸困難の原因となる。しかし息切れ対策には運動療法が大切である。
運動時の息切れ対策として,「口すぼめ呼吸や深呼吸をする」,「息を吐きながら動作を行う」,「呼気と動作の開始を合わせる」,「歩行器を使用し,上肢や前腕で体幹を支持する姿勢で歩行する」,「冷風を当てることや室温を上げ過ぎないようにする」などがある。
運動療法は継続が大切である。薬物療法による十分な疾患のコントロール,呼吸法指導などを図りつつ,運動を継続させることが大切である。
「KEY WORDS」COPD,身体活動量,動的肺過膨張,呼吸方法,運動療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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