特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望
行動変容を目指した患者教育
THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 34-37, 2016
呼吸リハビリテーションでは,自己管理能力の獲得など行動変容を目指した患者教育が求められている。われわれは「人の行動を変える」専門職として,患者教育に応用される理論やモデルを活用し患者教育を行っていく必要がある。行動変容を目指した患者教育として,①患者教育の基礎,②理論・モデル,③対話と共感,④コミュニティーの活用と支援の実際を示した。呼吸リハビリテーションは包括的な医療介入であり,各種理論とモデルを用いた患者教育手法のさらなる体系化だけでなく,多職種が領域を越えた介入など教育体制の再構築も行動変容を目指した患者教育の発展のためには必要である。また医療者による教育だけではなく,患者同士が学習し合うコミュニティーを活用した患者教育には,そのコミュニティーを支える仕組みが必要となる。患者と医療者,そして医療機関や行政も巻き込み,その地域その施設の特性にあった長期的な持続できる活動支援が望まれる。
「KEY WORDS」理論・モデル,対話,共感,患者会,コミュニティー
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。