特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望
Self-managementと看護師の役割
THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 28-33, 2016
米国胸部疾患学会,欧州呼吸器学会より発表されている「呼吸リハビリテーションのステートメント」では,セルフマネジメント介入のプロセスとして患者への知識,マネジメント方法の教育を行い,患者自身が意思決定,ゴール設定,問題解決,さらには自己効力感を増強できることが含まれている。セルフマネジメント介入に関する報告は年々増加しているが,成功するセルフマネジメント介入では,患者を取り巻く環境の変化(増悪に伴う急激な症状の悪化,生活環境の変化,健康状態の変化など)に合わせ,患者自身が行動変容できるように介入することが重要であり,そのためには,構造的かつ患者それぞれに合った個別的セルフマネジメント介入が必要であるとされている。患者自身がセルフマネジメントできるよう,看護師は,一方的に知識や技術の提供を行うのではなく,患者自身がセルフマネジメントに関する問題に気づき,問題解決するための行動変容ができるよう援助することが重要である。本稿では,患者自身がセルフマネジメントを習得するまでのプロセスでの看護師の役割を解説する。
「KEY WORDS」セルフマネジメント,モチベーション,行動変容,自己効力感
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。