「Summary」サーチュインは酵母で発見されたSir2のホモログで,哺乳類にはSIRT1~7の7種類存在する。その多くは脱アセチル化酵素であり,アセチル化されたタンパク質からアセチル基を除去する働きをする。近年の研究によって多くのタンパク質がアセチル化・脱アセチル化によって活性が調節されていることが明らかにされてきている。サーチュインのなかでもっとも研究の進んでいるSIRT1では,SIRT1が代謝の調節,抗酸化機能増強,細胞生存への働き,オートファジー,DNA 修復など様々な生理機能に関与していることが明らかにされてきた。レスベラトロールはブドウ果皮などに含まれるSIRT1活性化分子であり,そのSIRT1活性化機能を用いて筋ジストロフィーなどの各種疾患治療への応用が図られようとしている。
「Key words」SIRT1,脱アセチル化酵素,レスベラトロール