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特集 超高齢化時代の呼吸器診療

高齢者肺癌の治療エビデンスと今後の挑戦―外科の立場から―

Treatment for elderly patients with lung cancer from the viewpoint of surgery

奥村明之進

THE LUNG perspectives Vol.24 No.3, 60-63, 2016

「Summary」日本胸部外科学会によれば2013年の1年間の肺癌手術症例は37,008例で,70歳以上の症例は52.2%と過半数を占め,80歳以上の症例も12%であった。肺癌登録合同委員会による1999年の肺癌手術症例の調査では,80歳以上の術前併存症としては,虚血性心疾患,脳神経疾患,閉塞性呼吸機能障害が多く,縦隔廓清は34%のみに施行され,33%の症例では縮小切除が採用されていた。手術死亡率は1.4%で,術後5年での全生存率は,c-ⅠA期で62.0%,c-ⅠB期で47.2%で,80歳以上でも外科治療が安全に行われ,長期生存も期待できる。ただし85歳以上では外科治療の適応は慎重にするべきである。近年,高齢者では術前の BNP が30pg/mL 以上の症例で呼吸循環合併症がおこりやすいと報告されている。80歳以上の高齢者でも,術前併存症の有無の評価と合併症軽減の対策を行えば,肺癌の外科治療は可能であり有効である。
「Key words」肺癌登録合同委員会,他臓器癌,心肺合併症,BNP,hANP

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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