「Summary」周産期医療の進歩に伴い,早産児および低出生体重児の救命率は向上したが,その合併症を完全に防ぐことはできていない。なかでも,BPDは頻度の高い合併症であるが,BPDの原因は,早産児の機能が未熟な肺を用いて呼吸を開始することであるため,早産児となった場合には予防が困難である。しかも,BPD児の呼吸機能は長期にわたり障害が持続する。そして,最終的にはCOPDの病態を呈する。現在,わが国の早産児および低出生体重児の出生数は,総出生数の減少にもかかわらず増加傾向にある。したがって,今後はCOPD患者のなかで,早産児および低出生体重児が一定の割合を占めることは確実であり,早期の対策が必要である。
「Key words」neonatal intensive care,respiratory disease,long term outcome