「Summary」近年,特発性肺線維症(IPF)に対する国際臨床試験が可能になった。しかしながら,その多くは主要評価項目で有意差を認めず,IPFには有効な治療法がないとされていた。2011年,IPFの国際ガイドラインが発表され,前後して多数の無作為化比較対照試験(RCT)が実施された。その結果,ピルフェニドンとニンテダニブは,RCTの主要評価項目で有意差を認めた。2015年にIPFの国際ガイドラインが改訂され,ステロイド,免疫抑制剤は使用しないことが強く推奨され,ピルフェニドンとニンテダニブの使用は条件付で推奨された。プラセボを揃えたネットワークメタ解析では両薬剤は重篤な有害事象,死亡率,効果において類似していた。多くの新規薬剤の試験が実施されるとともに,併用療法の治験が実施されており,さらに急性増悪に対するRCTも計画されている。
「Key words」無作為化比較対照試験,国際ガイドライン,ニンテダニブ,ピルフェニドン
「Key words」無作為化比較対照試験,国際ガイドライン,ニンテダニブ,ピルフェニドン