「Summary」閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では,神経心理学的症候として,注意・ビジランス,言語性と視覚性の遅延長期記憶,視覚空間構成能力,遂行機能などの障害がみられる。MRIを用いた形態学的画像診断によると,記憶や遂行機能の調節に関わる領域(主に前頭葉皮質,前帯状回,海馬)の脳の構造の変化がみられるが,神経心理学的症候と同様に,持続陽圧呼吸(CPAP)治療にて改善しうることが示されている。OSAの病態は,血管リスク因子としてのみならず,神経毒性を介した神経変性機序にも関与することが注目されている。高齢者のOSAは,認知機能低下の進行や認知症発症のリスク因子としても重要であり,CPAP治療によりこれらの低減が期待しうる。ゆえに,OSA診療において,認知機能についても念頭におくべきである。
「Key words」睡眠時無呼吸症候群,閉塞性睡眠時無呼吸,睡眠関連呼吸障害,認知機能,認知機能障害,認知症
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