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特集 特発性肺線維症(IPF)を考える

基礎医学とのダイアローグ TGF-βによる上皮間葉転換(EMT)の分子機構

齋藤正夫

THE LUNG perspectives Vol.23 No.3, 74-78, 2015

「Summary」上皮間葉転換(EMT)は,形態形成過程において発生学的に観察された現象である。その後の研究により,現在では,成体での創傷治癒や線維性病変での線維芽細胞や筋線維芽細胞の発生機序の1つとして考えられるようになっている。EMTを誘導させるためには,EMT誘導転写因子の発現誘導が必要であり,TGF-βはこれらの因子を強力に誘導する。本稿では,TGF-βによるEMT誘導転写因子発現の転写制御機構や非常にユニークな選択的スプライシング制御機構に関し,最近の知見をわれわれの研究を中心に紹介したい。
「はじめに」上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition;EMT)は発生学者であるElizabeth Hayらによって提唱された概念であり1),個体形成初期に観察されるEMTを,Ⅰ型EMTと呼ぶこともある2)。成体での創傷治癒や線維性病変でのEMT(Ⅱ型EMT)は,間葉細胞の生成機構の1つとして,実際モデルマウスを用いた実験から示されている。
「Key words」上皮間葉転換(EMT),TGF-β,Snail,シグナル伝達

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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