特集 新技術の呼吸器への応用を考える
細胞イメージング技術と呼吸器
Cellular imaging technology for respiratory medicine
THE LUNG perspectives Vol.22 No.4, 40-43, 2014
「Summary」近年,生きている動物の中で細胞や分子をリアルタイムにイメージングできる生物発光イメージングと蛍光イメージングの2つの生体光イメージング技術が生物学に革命的変化をもたらした。生体光イメージング技術を駆使すると,細胞や分子の体内動態のみならず,これまでは知りえなかった生体内での細胞内機能や細胞間相互作用が手に取るようにわかる。ただし,生体光イメージングには生体深部の観察が困難という欠点があり,特に肺は深部にあり,空気が存在し,呼吸動があるために生体蛍光イメージングには向いていない。そこで本稿では,癌細胞の追跡実験から細胞周期のイメージングまで,生体光イメージング技術を駆使したさまざまな細胞イメージングの応用例を紹介し,その生物学における有用性を考えるとともに,生体光イメージングの問題点を洗い出し,特に呼吸器研究分野における細胞イメージング技術の今後を考えたい。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。