CPC日常臨床から学ぶ
癌性髄膜炎にゲフィチニブ再投与が有効であった肺腺癌の1例
A case of successful re-treatment with gefitinib for carcinomatous meningitis of lung adenocarcinoma
THE LUNG perspectives Vol.22 No.4, 2-4, 2014
「はじめに」肺癌は集約的な治療にもかかわらず依然として予後不良の疾患である。近年,上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor; EGFR)の遺伝子異常を伴う肺腺癌に対してEGFRチロシンキナーゼ阻害薬による良好な治療反応性が確認される一方,薬剤耐性を獲得する症例も多く経験する。今回は,癌性髄膜炎として再発した肺腺癌に対してゲフィチニブ再投与が有効であった症例を提示する。
「1.症例」
症例:61歳,女性
主訴:慢性咳嗽と全身倦怠感
既往歴:なし
家族歴:特記事項なし
生活歴:接客業,粉塵曝露歴なし
喫煙歴:既喫煙歴あり
現病歴:61歳時に慢性咳嗽と全身倦怠感で当院を受診した。胸部レントゲンおよび胸部高分解能CT(HRCT)では左肺門に長径65mmの腫瘤陰影と下肺無気肺を認め(図1A),気管支鏡検査を施行して肺腺癌の診断を得た(図2)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。