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いま振り返る研究の日々

第1回 ガスクロマトグラフの試作に挑んだ若き臨床医

川上義和

THE LUNG perspectives Vol.22 No.3, 103-105, 2014

時は1964年, 所は北海道大学応用電気研究所生理部門. 私はインターンを含め3年の臨床経験しかない臨床医であったが, 大学院の3年目学生でもあった. 理学部動物生理出身の理学博士の指導で, ヒト肺毛細血管血流量の測定に取り組んでいた. 測定の原理は, 亜酸化窒素[笑気ガス(N2O)]を一呼吸だけ吸入し, 息をこらえる. 笑気ガスは溶解性が非常に高いので肺毛細血管から時々刻々吸収される. この吸収量を体プレチスモグラフ(被験者が仰向けに寝た形で全身をすっぽり入れることができる大型の箱)の体積あるいは内圧変化としてとらえる. この原理は, 1955年にLee GJとDuBois ABにより考案されたもので, 他の研究者はアセチレン(やはり溶解性が非常に高い)を使っていた. その目的は, 非侵襲的に心拍出量を測ることだった. 笑気ガス濃度の測定は, この部門で独自に開発されたグロー放電分析計だった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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