MEDICAL TOPICS
第51回 ナルコレプシーモデルマウスの作製と治療薬開発
Generation of new narcolepsy model mouse for the development of therapeutic drugs
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.22 No.3 98-102,
2014
著者名
田淵紗和子
/
山中 章弘
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
/
心療内科
/
精神科
媒体
THE LUNG perspectives
「歴史的背景」 ナルコレプシーは, 長らく原因不明であった睡眠障害であり, 日本人では約600人に1人患者がいるとされている. 神経ペプチド「オレキシン1)2)」が1998年に同定され, オレキシン欠損マウスが, ナルコレプシーにきわめてよく似た表現型を示したことから, オレキシンとナルコレプシーとの関係が明らかになってきた. 最終的に, ナルコレプシー患者の死後脳においてオレキシン神経の特異的脱落が認められ, オレキシン神経脱落がナルコレプシーの原因であると結論づけられた3). オレキシンを産生するオレキシン神経細胞は, 視床下部外側野にごく少数が存在し, そこから脳全体に広く投射している. これまでのオレキシン遺伝子や受容体欠損動物の解析から, オレキシン神経は睡眠覚醒調節において特に覚醒の維持に重要な役割を担っていることが示唆されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。