【特集 酸素の生体作用―基礎研究から応用医学までの新機軸―】
基礎医学とのダイアローグ 低酸素と運動
Hypoxia and exercise
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.22 No.3 88-91,
2014
著者名
大石修司
/
齋藤武文
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
骨・関節
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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整形外科
/
リハビリテーション科
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老年科
/
小児科
媒体
THE LUNG perspectives
「summary」 低酸素に曝露されると生体には内分泌系やサイトカインなどを介したさまざまな生理生化学的変化が惹起されることが知られている. さらに, 高所のような低圧・低酸素環境での運動は平地での常酸素での運動とは異なり, 平地に比して相対運動強度が高くなることから, 生体の反応もより活発になることが予想される. 本稿では, 低酸素および低酸素環境での運動時に生体に生じる呼吸循環応答を, アドレナリンを中心とする神経内分泌系, IL-6などの炎症性サイトカイン, そして酸化ストレスに関連する分子の観点から概説した. 「はじめに」 身体運動は生体の代謝を亢進させるが, 生体は換気や心拍出量を増加させて, 活動組織の増大した酸素需要に対応することが知られている. 一方, 生体が高所のような低酸素・低圧環境に置かれると, さまざまな生理学変化が惹起される. まず, 動脈血液中の酸素分圧が低下するとともに, 副腎髄質からアドレナリンが分泌され, 交感神経系の活動亢進による変化が現れる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。