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特集 非結核性抗酸菌症の進歩

基礎医学とのダイアローグ ミコール酸糖脂質を標的としたCD1依存的T細胞応答

CD1-mediated T cell responses directed against mycolyl glycolipids

杉田昌彦宮本歩己

THE LUNG perspectives Vol.22 No.1, 73-76, 2014

「Summary」結核菌やMAC菌に代表されるマイコバクテリウム属細菌は, ミコール酸という長鎖脂肪酸を含有した疎水性の細胞壁をもち, 酸アルコール処理に対する抵抗性, すなわち抗酸性を示す. 最近の研究から, ミコール酸やミコール酸含有糖脂質が自然免疫あるいは獲得免疫の標的となり, 感染防御に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある. 宿主体内で増殖する病原性マイコバクテリウム属細菌は, 宿主内に高濃度で存在するグルコースを基質としたミコール酸転移反応によりグルコースモノミコール酸(GMM)を産生する. 樹状細胞や活性化マクロファージに発現したヒトCD1b分子やアカゲザルCD1c分子はこれを結合し, T細胞に提示する. その結果, 結核防御に重要なTH1サイトカインや細胞傷害タンパク質が産生され, 菌が制御される. これら一連の研究は, 脂質をベースにした新たな抗結核ワクチン開発に結実しようとしている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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