特集 慢性呼吸器疾患:ベッドサイドの運動負荷試験―実践と理論
神経筋疾患における運動負荷テスト
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.21 No.2 38-41,
2013
著者名
谷田部可奈
/
川井充
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
神経疾患
診療科目
呼吸器内科
/
脳神経外科
/
リハビリテーション科
/
神経内科
媒体
THE LUNG perspectives
「Summary」神経筋疾患患者は, 主症状の四肢筋力低下により自転車エルゴメーター, トレッドミル, 歩行テストなどが困難であり, 運動負荷テストで求められる運動負荷量に達することができない. また, 運動負荷テストを行うことは, 筋肉に過度の負担をかけ, 筋線維の傷害を進行させる可能性が高いため, 心肺機能や運動耐容能を知るだけの目的で実施することは避けるべきと考えられる. 治療効果判定, 診断補助として運動負荷テストを行う際も, 病状を悪化させる可能性があり, 慎重に実施する必要がある. 神経筋疾患でも, 一般的な呼吸器疾患と同様に呼吸運動療法は有用であるが, 呼吸筋トレーニングが推奨され, その評価としての運動負荷テストは通常実施されない. 「I 神経筋疾患とは」「神経筋疾患(neuromuscular disease)」とは, 運動ニューロン, 末梢神経, 神経筋接合部, 筋肉に病変の主座をもつ疾患の総称である1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。