<< 一覧に戻る

特集 慢性呼吸器疾患:ベッドサイドの運動負荷試験―実践と理論

呼吸器疾患と6分間歩行試験

隈元朋洋寒川卓哉井上博雅

THE LUNG perspectives Vol.21 No.2, 27-32, 2013

「Summary」労作時呼吸困難を伴う呼吸器疾患患者において, 安静時の肺機能検査だけでは病態・病状の把握は困難である. 労作時呼吸困難を客観的に評価するために運動負荷試験は有用であり, 6分間歩行試験(6MWT)が広く行われている. 代表的な呼吸器疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)や特発性間質性肺炎と6MWTとの関連については多数の報告がなされており, 両疾患についての臨床的に意義のある最小変化量(MCID)についても検討されている. しかし, 身体的・精神的因子の両面が6分間歩行距離(6MWD)に影響を与えるとされ, learning effect(carry-over effect)のこともあり, その実施および解釈を行う際には注意を払う必要がある. 「はじめに」労作時呼吸困難を伴う呼吸器疾患患者の診療や臨床研究において, 安静時の肺機能検査だけでは病態の把握は不十分であり, 労作時呼吸困難を客観的に評価するために運動負荷試験が有用である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る