医療と哲学
第36回 医療における社会貢献活動―宗教家の考え(2)チーム医療におけるチャプレンの役割と心得
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.20 No.2 94-97,
2012
著者名
沼野尚美
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
麻酔科
/
心療内科
/
精神科
媒体
THE LUNG perspectives
「病院チャプレンという働き」病院薬剤師から転職をして, 病院チャプレン兼カウンセラーとして長年勤務をしてきた. 一般病棟で働きながら, 徐々に緩和ケア病棟での働きをメインにするようになり, 最初はキリスト教主義の病院で勤務していた. 17年前にご縁があって公立病院でも働くようになり, 現在はキリスト教主義ではない病院の緩和ケア病棟をいくつか兼務して働いている. チャプレンとはどんな職業かと, よく患者や家族から問われてきた. 日本ではまだあまり知られていない職種であり, どの病院にも存在するわけではない. 施設で働く宗教家, 宗教的援助者である. しかし, 日本では医療の世界に宗教家が登場することを, あまり歓迎していない空気がある. そしてチャプレンという職種が日本ではまだ, 専門資格制度にもなっていない. 筆者はおよそ30年前からチャプレンとしての働きを始め, 苦労も沢山してきた. しかし, 心の慰めや魂の癒しを必要とされている患者や家族に, 医療チームのメンバーとして独自の関わりを通してケアを提供することができる大切な仕事であると確信している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。