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特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

基礎医学とのダイアローグ 老化に伴う免疫能低下と免疫老化研究

The decline of immune function with aging and study for immunosenescence

丸山光生

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 74-77, 2012

「Summary」老化に伴う生体機能の変化は神経, 内分泌系に限らず, 免疫機能も低下することが知られ, リンパ球を中心とする獲得免疫系の変化を中心に高齢者が抱え込む多くの疾患の羅患率や経過, 予後と密接に関わっているとされてきた. しかし, 近年, 若年と老年層を比較する手法で生体内の種々の免疫系に特異的な細胞集団や遺伝子の発現変化, サイトカインなどの分泌タンパクの変動からそのメカニズムを検討し, 高齢者の免疫機能維持, 生体防御機能の改善に関する研究が注目を集めている. 本稿では感染防御という点で中心的な役割を担う自然免疫系と獲得免疫系にみられる加齢変化について概説し, 現在, 加齢に伴ってその発現が低下する免疫老化(immunosenescence)関連遺伝子の1つとしてわれわれが注目しているZizimin2遺伝子について最近の知見を紹介する.
「はじめに」われわれ生物が, 体を守るしくみを自らの生体機能の恒常性を維持することが目的と考えれば, 免疫機能も筋力や視力, 聴力, あるいは記憶力や集中力などと同じように加齢現象に伴ってバランスを崩す(結果として多くは機能低下する)ものであると容易に理解できる.
「Key words」獲得免疫, 自然免疫, Zizimin2, グアニンヌクレオチド交換因子, 免疫老化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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