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特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

高齢者の肺炎:予防と早期発見, 早期治療

Pneumonia in the elderly ; prevention, early detection and early treatment

山谷睦雄

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 57-60, 2012

「Summary」高齢者肺炎の多くは, 脳梗塞などの基礎疾患による嚥下機能の低下と口腔内の細菌増殖が相まって, 増殖した細菌を含む唾液の不顕性誤嚥で生じる特徴を有する. また, 患者における炎症反応の低下や, 典型的な肺炎の症状を呈さない症例もあり, 発見が遅れることがある. 発熱などの典型的な症状に加え, 「むせ」症状や「いつもより元気がない, 寝てばかりいる」など, 普段と様子が違う場合も肺炎を想起する必要がある. 肺炎は胸部レントゲン撮影やCT撮影で陰影を確認することで診断する. 早期発見・早期治療のため, 高齢者肺炎の特徴を理解する必要がある. また, 肺炎の治療効果を上げ, 予後を改善するには, 嚥下機能の改善策, 口腔内細菌の減少策, および胃食道逆流の予防策を実施し, 誤嚥による高齢者肺炎の再発を予防する必要がある.
「はじめに」肺炎による死亡者数は日本人の死亡原因全体の第4位を占め, 2009年の厚生労働省統計では, 肺炎による死亡率は人口10万人あたり89.0であり, そのうち96%以上は65歳以上の高齢者である.
「Key words」不顕性誤嚥, 嚥下機能, 口腔内細菌, 咳反射, 無症候性脳梗塞

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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