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特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

呼吸生理からみた老化

Aging on respiratory physiology

近藤哲理

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 26-30, 2012

「Summary」高齢者では, 胸壁コンプライアンスの低下や静肺コンプライアンス増加による閉塞性換気障害が生じ, フローボリューム曲線に下行脚の陥凹が生じる. 解剖学的死腔は増加し, 末梢気道狭小化による呼気終期の気道閉塞で残気量は増加する. この末梢気道閉塞は安静呼吸のガス交換機能をも低下させる. 身長短縮と呼吸筋力低下により全肺気量は減少するが残気量は増加する結果, 肺活量は低下する. 機能的残気量の変化は軽度であり, 1回換気量低下と呼吸数増加もみられる. 動肺コンプライアンスの周波数依存性が高まり換気血流比不均等分布は悪化する. 安静呼吸のPaO2は低下するが, PaCO2は変わらない. 最大換気量は減少し, 運動開始後の換気量や心拍数増加も遅延する. 呼吸は腹式優位となり, 横隔膜筋力は低下して疲労しやすくなる. CO2への換気応答は低下する一方, 運動時のCO2産生に対する応答は亢進する. 弾性および粘性抵抗負荷に対する感受性は低下するが, 気道過敏性は高まり, β刺激薬の効果は低下する.
「Key words」閉塞性換気障害, 運動, 血液ガス, 加齢, 肺機能

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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