<< 一覧に戻る

特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

高齢者の呼吸器疾患:治療と診断の問題点

Clinical significance and pitfalls of geriatric pulmonary diseases

寺本信嗣

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 15-20, 2012

「Summary」医学の進歩により長寿を実現しているが, これにより「高齢者呼吸器疾患」という新たな疾患領域が発生した. すべての医師がアプリオリに病名のみで80歳以上の患者を一律に治療できないことを知っている. 肺癌, 喘息, 肺炎において, 成人症例と同様のガイドラインや戦略では治療が奏効しない. これらの, survivor effect(生存者効果)を内包している多様な高齢者に, どのようにして個別的で最善な医療を提供できるかが課題となる. 「高齢者呼吸器疾患」では, 老化の部分を差し引いて疾病部分のみを取り出すべく, より高度な診断能力と, 老化の部分を含んで改善を図る, より細やかな治療戦略とが求められている. さらに, 時代背景や世代ごとに変貌を遂げる, その時代の高齢者に対応した, タイムリーなガイドラインの策定が求められる.
「I 老化とは何か」「老化」は, 医学的には「成熟期以後, 加齢とともに各臓器の機能あるいはそれらを統合する機能が低下し, 固体の恒常性を維持することが不可能となり, ついには死に至る過程」と定義されている.
「Key words」老人肺, COPD, 喘息, 肺癌, 高齢者COPD, 高齢者喘息, SAS

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る