Summary
 急性肺水腫(APE)は,肺毛細血管内の静水圧が上昇するために生じるタイプと,毛細血管の透過性が亢進してしまうために生じるタイプとがある。前者は,心原性肺水腫(CPE)と呼ばれ,急性心筋梗塞(AMI)や慢性心不全の急性増悪,心筋炎,輸液過剰投与などが原因となる。後者は,非心原性肺水腫(NCPE)と分類されるもので,多くは急性肺傷害(ALI)や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などが原因となる。いずれのタイプの肺水腫でも,間質から肺胞腔まで水分がしみ出た状態は共通で,著明な低酸素血症を呈するため,酸素療法や換気補助の適応となりうる。しかし,共通した補助療法とは別に,原疾患に対しては全く異なるアプローチが必要となる。すなわち,CPEに対しては,静水圧を下げる目的で利尿薬を使用するほか,容量血管の拡張と,冠拡張を期待して亜硝酸薬を使用する。一方,NCPEでも輸液管理はdry sideを目指して行うことに変わりはないが,肺の過進展を避けた陽圧人工呼吸を主体とする支持療法を行う。
 
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                呼吸器と循環器のクロストーク―薬物の進歩―
              
 急性肺水腫
                Acute pulmonary edema
              
                  掲載誌
                
 
                  THE LUNG perspectives
                  Vol.19 No.4 59-63,
                  
                    2011
                  
 
                    著者名
                  
  
                          山口修
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          特集
                        / 
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                    疾患領域
                  
  
                          循環器
                        / 
                          呼吸器
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          循環器内科
                        / 
                          呼吸器内科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      THE LUNG perspectives
                    
 
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。