Summary
肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症(PH)は,WHOの機序に基づく5つの臨床分類でGroup3カテゴリーとされ,7つの疾患・病態が含まれる。呼吸器疾患におけるPHは,一般に緩徐に進行して肺性心へ進展する。呼吸器疾患を伴う場合にはmPAP>20mmHgでPHと診断され,肺血管床の減少や低酸素血性肺血管収縮(HPV)により生じる。肺機能障害から予測される以上に呼吸困難が高度である場合や,右心不全徴候の存在する場合にPHが示唆される。薬物療法としては,利尿剤・ジゴキシン・テオフィリンと交感神経刺激薬・抗凝固薬・血管拡張薬などがあるが,近年,特発性PHなどに対してエンドセリン受容体拮抗薬・ホスホジエスレラーゼ阻害薬,プロスタサイクリンなど血管拡張薬が使用されているが,これら薬剤は呼吸器疾患におけるPHに対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)において承認されていない。
全文記事
呼吸器と循環器のクロストーク―薬物の進歩―
肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症
Pulmonary hypertension owing to lung disease and/or hypoxia
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.19 No.4 40-44,
2011
著者名
一和多俊男
/
清水谷尚宏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
呼吸器
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
呼吸器内科
媒体
THE LUNG perspectives
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。