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呼吸器と循環器のクロストーク―薬物の進歩―

喀血を伴う疾患の発生メカニズムとその対処

A mechanism and treatment choices of hemoptysis, up to date

石川秀雄長坂行雄

THE LUNG perspectives Vol.19 No.4, 22-27, 2011

Summary
 喀血の発症メカニズムを,気管支動脈塞栓術(BAE)の有効性という側面から考察した。BAEは,喀血が気管支動脈–肺動脈シャント(B–Pシャント)の破綻によって起きるという作業仮説に基づく治療法である。当センターにおけるBAEの最終止血率は95.5%であり,これがB–Pシャントによって説明され,それ以外の4.5%が肺動脈性出血とおおむね考えられるが,CTアンギオによる解析でも同程度の比率となっている。また感染性空洞性疾患の喀血源については,肺動脈の破綻が主体であるが,単純な肺動脈破綻でなく,B–Pシャントの存在がこれに大きく関与している。
 喀血に対する対処法には,気管支鏡によるオキシセルロース充填法(ETUO),BAE,外科手術の3つが存在する。ETUOは呼吸器内科医自身にとって身近な気管支鏡インターベンションであり,第1選択になりうる治療と思われるが,長期的止血率に関する検討が待たれる。BAEは,いまや有効で安全な治療法であり喀血治療のゴールドスタンダードであるが,いまだ十分には普及しておらず,今後の発展が期待される。手術はBAEでコントロールできない症例に対する最終手段である。

Key words
喀血,気管支内視鏡的治療,気管支動脈塞栓術,気管支動脈-肺動脈シャント,Rasmussen氏動脈瘤

はじめに

 喀血は,ときに窒息死につながる危険な病態であり,呼吸器科医はこれに対し十分な理解をしておく必要がある。本稿では,気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization;BAE)の術者としての視座からみた喀血のメカニズムについて概説したあと,アスペルギローマの喀血メカニズムについて蛇澤らの精緻な臨床病理的解析を紹介し,後半で喀血への対処法について述べる。

Fundamentals

 気管支動脈–肺動脈シャント(B–Pシャント)は,気管支動脈と肺動脈の異常吻合であり,喀血メカニズムの95%程度を説明することができる。

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