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CPC日常臨床から学ぶ

蜂窩肺様の画像所見を呈した粘液産生性細気管支肺胞上皮癌の1剖検例

An autopsy case of mucinous bronchioloalveolar carcinoma presented with honeycomb lung.

本間晋介宮崎邦彦金子美子栗島浩一籠橋克紀佐藤浩昭南優子野口雅之檜澤伸之

THE LUNG perspectives Vol.19 No.3, 6-11, 2011

はじめに
 今回われわれは,間質性肺炎の急性増悪に矛盾しない画像所見を呈し,ステロイド薬と免疫抑制薬に反応を認めず,呼吸不全により死亡した1症例を経験した。剖検の結果,肺内に粘液産生性細気管支肺胞上皮癌[mucinous BAC(bronchioalveolar carcinoma)]の広範な進展が認められたが,画像所見が非典型的であったこと,繰り返し施行した細胞診にて癌が検出されなかったことから,死亡まで確定診断に至らなかった。臨床的示唆に富む症例と考えられるので,文献的考察を交えて提示する。

Key words
間質性肺炎,細気管支肺胞上皮癌,蜂窩肺,線維化

1.症例

症例:67歳男性
主訴:咳嗽,喀痰,呼吸困難
既往歴:胃潰瘍(30歳台),術後イレウス(40歳台,50歳台),慢性副鼻腔炎(50歳台で手術)
嗜好:喫煙10本/日×50年
職業:建築業
現病歴:2004年1月10日頃より咳嗽,喀痰が出現し,近医にて鎮咳薬,去痰薬,抗生剤の内服処方を受けるも改善認めず,しだいに労作時呼吸困難を伴った。胸部X線ならびに胸部CTにて左中下肺野にすりガラス状陰影を指摘され,同年2月12日当院を紹介受診。精査加療目的で2月18日初回入院となった。

2.身体所見

 意識清明,身長153.5cm,体重49.0kg,体温36.4℃,血圧144/92mmHg,脈拍92回/分・整,呼吸回数16回/分,眼瞼結膜貧血なし,眼球結膜黄染なし。項部硬直なし,表在リンパ節触知せず。胸部:左中下肺野で捻髪音を聴取,心音純,心雑音なし。腹部:平坦かつ軟,肝脾触知せず,グル音正常。下肢浮腫なし。神経学的異常所見なし。

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