Summary  COPD治療に用いられる吸入デバイスは,pMDI,DPIおよびSMIに大別される。pMDIは初心者にはクローズド・マウス法が適しており,小型スペーサーの併用が有用である。DPIは吸気のタイミング調整が不要であるが,薬剤を吸入可能な状態とするために複数回の操作が必要である。吸入気流速度は,薬剤を末梢気道に到達させる重要な要素である。SMIは,コイルの復元力で溶液を噴射させる新しい吸入方法であり,噴射時間が長く細かな粒子が放出される。高齢COPD患者において,これらの吸入指導はパンフレットなどを用いての丁寧な説明よりも,必要最小限の操作を実際に行わせるほうが効果的である。