Giblettらは1975年に5歳の女児で貧血と繰り返す感染症を生じ,プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase;PNP)活性がほとんど測定できない症例を報告した1)。その症例ではリンパ球が激減し,Tリンパ球のロゼット形成が減少していた。免疫グロブリンレベルは正常であった。これが本症の初めての報告であるとみなされている。PNP欠損症は非常に稀な常染色体劣性遺伝の原発性複合免疫不全症である。本症はプリン代謝異常疾患であるが,免疫不全症でもある。すべての免疫不全症の中で1〜2%とされ,2011年のレビューでは49家族,67人がみつかり2),現在,合計80症例程が報告されている。わが国から1家系が報告されている3)4)。
特集 尿酸に影響する遺伝性代謝異常、最近の進展
3.各論[低尿酸血症] 2.プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症
掲載誌
高尿酸血症と痛風
Vol.28 No.1 65-69,
2020
著者名
山内 高弘
/
上田 孝典
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
膠原病科
/
リウマチ科
/
一般内科
媒体
高尿酸血症と痛風
Key Words
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ,プリン代謝,低尿酸血症,Tリンパ球,重症免疫不全,dGTP
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。