Giblettらは1975年に5歳の女児で貧血と繰り返す感染症を生じ,プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase;PNP)活性がほとんど測定できない症例を報告した1)。その症例ではリンパ球が激減し,Tリンパ球のロゼット形成が減少していた。免疫グロブリンレベルは正常であった。これが本症の初めての報告であるとみなされている。PNP欠損症は非常に稀な常染色体劣性遺伝の原発性複合免疫不全症である。本症はプリン代謝異常疾患であるが,免疫不全症でもある。すべての免疫不全症の中で1〜2%とされ,2011年のレビューでは49家族,67人がみつかり2),現在,合計80症例程が報告されている。わが国から1家系が報告されている3)4)