特集 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂―関連する診療ガイドラインにおける高尿酸血症の位置づけ―
1.高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂第3版
高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.2, 14-23, 2019
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版は7つのクリニカルクエスチョン(CQ)とその推奨文のパートと高尿酸血症・痛風の診療マニュアルのパートからなっている。CQは重要な臨床課題をPICO形式で表現し,それぞれのCQ毎に益と害アウトカムについて網羅的文献検索とそれをもとにしたメタ解析を行いエビデンスの強さから益と害のバランスを評価した。加えてアンケート調査をもとにした患者の価値観や希望と医療経済の情報を揃え,投票により推奨文を決定している。これらのプロセスを経ることでガイドラインの科学性・透明性・公平性を担保しながら患者と医師の意思決定を支援するのに最適と思われる推奨文が作成できている。本CQでは痛風発作の治療,コルヒチンカバー,痛風結節の治療,腎障害・高血圧・心不全合併高尿酸血症の治療・食事指導に関して推奨文が示された。また本診療マニュアルは高尿酸血症・痛風の疫学・診断・病態別治療で利用できる情報を総説的にわかりやすく解説している。
「KEY WORDS」クリニカルクエスチョン,PICO形式,メタ解析,エビデンスの強さ,益と害のバランス,患者の価値観と希望,医療経済
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。