結晶沈着性関節炎の病態とは,結晶と細胞,結晶と個体との関係によって説明が可能である。結晶が細胞に認識されることについてはインフラマソームが,結晶処理については好中球細胞外トラップ(NETs)が注目されている。ただし,実臨床や過去の動物モデルでの結果と必ずしも整合しないことや,未解明なことがまだいくつもある。第1に,結晶形成は容易くは起こらないのではないか? 第2に,結晶塊の大きさを規定する因子が明解でなく,なぜある人では大きな結節をつくるのに,ある人では小結節が崩壊し急性炎症を起こすのか? 第3に,結晶が存在しても,炎症は容易くスイッチがオンにならないのではないか? これらに関係して,結晶形成を試みた最近の実験の結果や,結晶塊と個体との関係の多様性についての視覚的説明を含め,主に痛風について述べた。
「KEY WORDS」結晶化,核形成,結晶性,プライミング,視覚的説明
「KEY WORDS」結晶化,核形成,結晶性,プライミング,視覚的説明