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特集 痛風―最近のtopics―

1.痛風の変遷

上田孝典

高尿酸血症と痛風 Vol.26 No.2, 14-18, 2018

痛風は慢性に経過し,所見も豊富であり,紀元前より文献的記載も多く歴史を辿るに適した疾患である。
犬サフランによる治療より,ヒポクラテスを経て,症候学より生化学,分子遺伝学,分子薬理学などのときどきの医学の進歩をその変遷のなかで具現しつつ,本疾病の診断法・治療法が進歩してきたことは,きわめて示唆に富む。
そのなかで,明治まで患者がいないとされたわが国で,本疾患は戦後爆発的に増加し,今や100万人を超えると推測される重要な生活習慣病に位置づけられる。それに呼応するかのごとく,本邦より新規尿酸降下薬の分子創薬による開発,新規トランスポーターの発見など,世界をリードする研究成果が生まれつつあることは,興味深くまた喜ばしい。
「KEY WORDS」痛風,世界史,ヒポクラテス,日本史,分子創薬,トランスポーター

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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