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霊長類進化におけるURAT1とウリカーゼの共進化:血清尿酸値の恒常性および痛風との関連
掲載誌
高尿酸血症と痛風
Vol.26 No.1 90,
2018
著者名
箱田雅之
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
一般内科
/
リウマチ科
媒体
高尿酸血症と痛風
尿酸を代謝する酵素であるウリカーゼは,霊長類の進化の過程で徐々に活性が低下し,ヒトを含む大型類人猿と小型類人猿とでそれぞれ別の変異によって完全に活性を失った。その結果,尿酸がプリン塩基の最終代謝産物となった。尿酸は腎臓で100%濾過された後,近位尿細管で90%以上が再吸収され,尿に排泄されるのは10%未満である。このような効率的な尿酸再吸収メカニズムの存在は,尿酸が単なる排泄物ではないことを示唆している。Urate transporter 1(URAT1)欠損症では尿酸再吸収が低下し,血清尿酸値が1.0mg/dL以下となることから,尿酸再吸収の主要な役割はURAT1によって担われていることがわかる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。