特集 尿酸,XORと内皮細胞障害
2.各論 5)メタボリックシンドロームにおける内皮機能障害
高尿酸血症と痛風 Vol.26 No.1, 60-65, 2018
メタボリックシンドローム(MetS)に伴う高尿酸血症やキサンチン酸化酵素(XO)の活性上昇を介する血管内皮機能障害が注目されている。MetSは果糖やプリン体の過剰摂取に加え,インスリン抵抗性に伴う高尿酸血症を誘発し,尿酸の細胞内流入によるインフラマソームの活性化を介して炎症や内皮機能障害を引き起こす。尿酸生合成経路の律速酵素であるXOの活性亢進からの酸化ストレスに伴う内皮機能障害も注目されており,マウス実験においてはXO遺伝子の発現は脂肪組織で最も高く,肥満状態では特に内臓脂肪組織において遺伝子発現が顕著に上昇する。肝臓や腎臓,大血管の組織中XO活性と血漿XO活性が相関することも明らかとなっており,臨床的意義の解明が期待される。
「KEY WORDS」メタボリックシンドローム,内皮機能障害,高尿酸血症,酸化ストレス,血漿XO活性
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