痛風は関節内に尿酸塩結晶が持続的に沈着する疾患である。関節内に尿酸塩結晶が沈着する誘因のなかで最も重要なものは高尿酸血症である。この尿酸塩結晶を融解させることが治療の目的であり,このために治療で用いるのが尿酸降下薬である。尿酸降下薬による治療の目標は血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することである。このように,痛風は病因から治療に至るまでの過程が明確である。それにもかかわらず,痛風のマネジメントは不十分である。その理由として,かつてBeckerらは診断の正確性,ガイドラインの整備不足,合併症の影響,尿酸降下薬の種類が限られていることとともに,患者教育不足と治療アドヒアランスの問題を挙げている1)。Beckerらの指摘から10年弱が経過し,おのおのについて進歩があった。しかし,アドヒアランスの問題については克服されたとはいいがたいように思える。
患者教育実践講座
第49回 痛風患者のアドヒアランスを上げるために
掲載誌
高尿酸血症と痛風
Vol.25 No.2 88-91,
2017
著者名
谷口 敦夫
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
一般内科
/
リウマチ科
媒体
高尿酸血症と痛風
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。