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特集 高尿酸血症・痛風治療薬の臨床薬理

3.各論 4)ベンズブロマロン

市田公美

高尿酸血症と痛風 Vol.25 No.2, 58-63, 2017

ベンズブロマロンは尿酸排泄促進薬に属し,近位尿細管の管腔側膜にあるURAT1/SLC22A12を介した尿酸の再吸収を抑制し,尿中尿酸排泄を増加させることにより血清尿酸値を低下させる強力な尿酸降下薬である。現在の『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では,ベンズブロマロンは尿中への尿酸排泄能が低下している尿酸排泄低下型に使用することが推奨されている。ベンズブロマロンはCYP2C9などにより代謝されるため,ワルファリンなどのCYP2C9により代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性がある。ベンズブロマロンの副作用として,特異体質性薬物毒性によると思われる重篤な肝障害があり,原因は明らかになっていない。ベンズブロマロンは尿中尿酸排泄量を増加させるため,尿路結石を発症しやすくする。そのため,尿路結石保有例には禁忌である。また,ベンズブロマロン投与時には尿路管理が必要であり,尿量の確保と酸性尿の是正が重要である。
「KEY WORDS」ベンズブロマロン,URAT1/SLC22A12,尿酸排泄低下型,CYP2C9,劇症肝炎,特異体質性薬物毒性

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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