過激な運動により血清尿酸値が上昇し痛風発作を誘発することがある。その機序は尿酸の産生増加と排泄低下の両面から考えられている。血清尿酸値は嫌気性代謝閾値(AT)レベル以下の運動でも上昇し,長時間の一定運動に比し短時間の激しい運動でより著しく上昇する。高血圧や心不全においても運動により血清尿酸値が上昇するが,適切な運動強度と運動方法を用いれば,血清尿酸値の変動をきたすことなく,むしろ尿酸代謝のみならず生活習慣病の改善にもつながる可能性がある。高尿酸血症・痛風は生活習慣病の1つであり,心不全をはじめとする循環器疾患に合併しやすいことから,運動時の尿酸代謝を理解し,高尿酸血症・痛風の患者に対する運動療法の重要性を認識すべきである。
「key words」運動療法,運動処方,有酸素運動,高尿酸血症,痛風
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