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特集 尿酸の功罪

【各論】2.心血管系 2)心不全

Heart failure

川井真吉村道博

高尿酸血症と痛風 Vol.23 No.2, 47-53, 2015

「Summary」心不全治療の基本はうっ血コントロールであり,強力な利尿薬により体内の除水に伴い血清尿酸値上昇は起こりうる。このことから,心不全が重症なほど尿酸値は上昇しやすく,結果として予後悪化につながっているのかもしれない。JCARE-CARDなどのデータベースでも,尿酸値上昇と心不全の予後不良との関連性が示唆されているが,心不全においては,尿酸そのものが血管内皮細胞に作用し炎症性サイトカインの活性化を惹起している可能性や,逆に血中XO活性亢進によるROS産生で,酸化ストレスが増大し血管内皮障害をもたらすことと,このXOにより尿酸が産生され上昇している可能性も考えられる。それゆえ,尿酸高値は,慢性心不全の診断における酸化ストレスマーカーとしても,有用である可能性がある。このことから,心不全予後に対するXO阻害剤である,アロプリノールの効果に関する既存の報告や,フェブキソスタットにより慢性心不全患者の尿酸値低下作用が心不全に与える影響を検討する新しいLEAF-CHF studyをふまえ,心不全に対する抗尿酸薬の可能性を検証する。
「Key Words」ナトリウム利尿ペプチド,神経体液性因子,酸化ストレス,血中キサンチンオキシダーゼ(XO)活性,活性酸素種(ROS)産生

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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